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Eye In The Sky 5.1ch Mix

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Eye In The Sky 35th Anniversary Box Set

2019年のグラミーで、ベスト・サラウンド賞に輝いた本作。どんな形であれ、ロック系のサラウンド・フォーマットに注目が集まるのは、個人的にも嬉しい出来事だった。'82年オリジナル・アナログ盤発売当時に作成された、ソノシートを含む復刻プロモ・キットのレプリカも付属。

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付属ハード・カバー・ブックレットには、アラン・パーソンズ自ら今回の復刻に関してのコメントが掲載されている。私の拙い英語力を駆使して読んでみると、興味深い事柄がいくつか記載されていた。24/16/2の各トラック・マスターは、1箇所に保管されていたらしい。

まず5.1chミックスに関して。ロンドンのFX Copyroomで、2インチのマルチ・トラック・テープをダメージから修復。それを24bit/96kHzフォーマットにデジタル・コピーしてから、サンタ・バーバラにあるアランの自宅スタジオに持ち込んで、プロ・ツールを使って編集(曲順通りにする等)。出来上がったファイルを、ハリウッドのキャピトル・スタジオにて作業。コンソールは、72ch仕様のNeve VRS(Studio C)。ここからPro Tools HDXに入力して、5.1chミックス(24/96)に仕上げたと。

オリジナルのステレオ・リマスターに関しても。オリジナル・アナログ盤でも使用した、SONY 1610で作成した16bit/44.1kHzのデジタル・マスターは今回使わず(CD版にはこちらを使った)、当時同時にアナログ環境でミックスしたマスターを今回は使用。1/4インチ・マスターを、AMPEX ATR-102を使って24bit/192kHzのデジタルに変換。アビーロード・スタジオにあるSADiE Workstationで最終作業。このファイルは、Blu-Ray(以下BD)版に使用した。同じファイルを、45回転2枚組アナログ盤作成用に4分割した。アナログ盤はハーフ・スピード・カッティング、機材はカスタム仕様のNEUMANN VMS-80を使用。

この作品は、発売当時からデジタル音源を使った音の良いアナログ盤としてアピールしていた記憶がある。ただ、2005年にこのシリーズで一度再発された時、HDAD側はアランからアナログ・マスターを借りたとアナウンスしていた。今回アラン自身の言葉で、アナログ・マスターの存在が明らかになった。本格的にデジタル・マスター運用となるのは、『Stereotomy』が最初のようだ。

45回転アナログ盤のカッティングを担当した、お馴染みMiles Showellのコメントも紹介しておく。アナログ・テープが腐食の早いAMPEXではなく、AGFA製だったのが良かったと。なかなか興味深い見識。テープ箱には、「DO NOT USE THIS TAPE USE DIGITAL MASTER」との記載があった。テープの状態は良好。24bit/192kHzに変換、リミッターは使用していない。それが4分割して渡されたファイルになのか、マイルス自身が作業していた時なのかは分からない。作業においては、「Old And Wise」のヴォーカルにおける”サ”音(原文では"sss")を補正したと。それによって、同曲のスネア・ドラムのサウンドが若干マイルドになったことや、全体的な音質の細かい違いについても言及。ハーフ・スピード・カッティングの特性や、RIAAカーブのEQ処理についても、個人的見解を述べている。この辺りも、好きな方にとっては興味深いトピックだろう。

各フォーマットの聴こえ方の違いを、私なりに。音圧は、CD>BD>HDAD>LP。BDの方が、HDADよりも音の粒立ちが良いように感じる。個人的には、2005年と2017年の時間差によるマスタリング技術の違いが大きいと判断するのが妥当じゃないかと。コピー・マスターを使ったのかもとか、使ったマスターに違いがあるかもなんて、現物を見たことも聞いたこともない私には断言できない。また、マイルスのノン・リミッター証言は少々疑問。むしろ、HDADの方にノン・リミッターを感じる。CDは、バンド・サウンドを明らかに強調。バックのオーケストレーションや、装飾音が目立たず不明瞭。音圧過多故、少々ノイジーにも聞こえる。奥行き感抜群で、左右に雄大なサウンド・ステージが広がるBD/HDAD盤にどうしても手が伸びる。45回転2枚組LPの"sss"音、私は特に気にならなかった。

サラウンド音源も入ったBD盤が、決定版として個人的に推薦。これは単品でも販売されているので、気になる方は是非。

ここからは、注目のリリース情報を。
SNSの急速な浸透で、こういった情報をこの場で伝える無意味さは承知している。が、敢えて本ブログでしつこく宣伝しているサイトからいくつか。個人的には、このサイトよりも重宝している。

今年は、例年になく前半から大物BOXの発売予定が目白押し。そんな中、まさかのブツが登場してきた(そう来たかの1969セット限定)。25周年/40周年とも、BOX購入してお付き合いしてきたが、今回はどうするかなと。価格は、資料性および音源発掘の手間等を考えると妥当かなとも思うが。ただ、本文中で紹介されているこんなものも出るので(1000セット限定)、暫くは楽しく悩めそう。サーチャーズの便利な箱も出てるよ。

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